野鳥録音の方法

野鳥録音の楽しみ
野鳥録音の機材
野鳥録音のコツのコツ
編集と分析
録音アイディア






野鳥録音の楽しみ
 鳥類ほど、よく鳴く生き物はいません。野鳥のさえずりを聞けば多くの人が心安らかな気持ちになると思います。この鳴き声を楽しまない手は、ありません。
 でも、多くのバードウォッチャーは野鳥の鳴き声は難しいと言われます。鳴き声から名前がわからないと言います。この難しいと言われる野鳥の声を覚えるもっとも有効な方法は、録音することです。録音する時にじっくり聞いて、家に帰ってきてからも編集で何回も聞けば、区別できるようになるのは当たり前のことです。
 また、なによりも自然のなかで聞いた素晴らしい声を家でも聞けるというのが、野鳥録音の大きな楽しみです。
 かつては、大きく高価な録音装置や編集装置が必要でしたが、今では機材は安くコンパクトになり、野外でも十分使うことができるように整いました。また、研究機関でしか使うことのできなかった声紋分析もコンピュータを使って簡単にできる時代となりました。この充実した現在、野鳥録音を楽しまない手はやはりないのです。

野鳥録音の機材
はじめに
録音機
マイク
ヘッドホーン
その他
はじめに
 当然のことながら録音の目的によって、機材は異なります。しかし、録音の場合、メーカーが異なっても使用できるし、けっこう融通が利きます。ですから、まず試しにはじめてだんだん機材を増やす、変更していくということも可能です。
 まずは、手元にある録音機、マイクを使って野鳥の声を録音することをお勧めします。そして、野鳥の録音とはどのようなものか、コツがわかり、自分のやりたいことが明確になったら、より高度でより高価な機材と充実させていく方法がよろしいでしょう。
 私自身、はじめは声紋分析をしたかったのでガンマイク、蒲谷先生のように柔らかい音を録りたかったのでパラボラ、ステレオの魅力も捨てがたくステレオマイクと10年間でいろいろ遍歴をしています。今では、これらの機材を状況によって使い分けたりバックアップして使用し、捨てるものはありません。

録音機
 現在、野外で使用可能な機種がある録音媒体は、カセットテープ、MD、DAT、メモリー(HDD)などがあります。カセットテープはアナログで、高音部の録音ができないので野鳥の声の録音には不向きです。しかし、家でホコリをかぶっている可能性がいちばん多いので、まずは試しに録音するということであれば使ってみてください。MDは、機材も安く媒体も入手しやすいので手の出しやすいものです。しかし、音を圧縮しているので分析や高度な音を要求するのは、物足りなさを感じることでしょう。DATは、高音質の録音が可能ですが、機材も少なく媒体も入手しずらく高価という難点があります。メモリー録音は、筆者は試していませんが、DAT無き後に期待される機種です。また、2004年6月より発売されたHi-MDの規格、機材もありますが、まだ発売間もないので評価が定まりません。このように、すべて一長一短があり、まずここで迷います。
 音楽系、生録系のサイトをめぐり、カタログを取り寄せ、量販店で実物を見るなど、まずはこの究極の選択をお楽しみください。

□現在使用中の録音機
ソニーPCM-M1:業務用と銘打ったいわゆるDATウォークマン。小型なのが、最大の利点で、ウエストポーチに入れて録音できます。以前、使用していたD8に比較して、電池の持ちがよいのがうれしい。難点としては、レスポンスが遅いことで、Holdをはずしテープをリードし録音まで時間がかかります。このときの音も大きいのが静かなところでは気になります。現在、この機種は生産終了となり、民生用のTCD-D100が入手可能。実売価格約70,000円。

マイク
 マイクは音の最初の入り口です。予算の許す限りよいものを選びましょう。
 野鳥の声の録音では、おもに3つの選択肢があります。ガンマイク、パラポラとダイナミックマイクロホンの無指向性マイクの組み合わせ、ワンポイントステレオマイクがあります。
 ガンマイクは、距離が離れた野鳥の声を録るのに適しています。ただし、風に弱く、音が硬めでステレオ録音できません(2本あれば可能)。パラボラ+無指向性マイクは、音が柔らかくいかにも録音しているという感じになります。しかし、現在機材は限られ、ステレオ録音が難しい(2本あれば可能だがかさばる)。ワンポイントステレオマイクは、音はまずまずで、扱いが楽。ただし、思うようにステレオ感が録れないの悩みです。
 ここでも究極の選択をお楽しみください。

□現在使用中のマイク
audio-technica AT825N:業務用ワンポイントステレオマイク。指向性があり1本でステレオ録音できます。作りも丈夫で野外向き。音は、素直な感じでクセがないと思います。マイクのヘッドは110度で固定されているので、状況によってはステレオ感が録れないことがデメリット。現在この機種は、生産終了で民生用のAT825は入手可能。実売価格5〜60,000円。

ヘッドホーン(レシーバー)
 録音中の状態をモニターするためにヘッドホーンが必要です。ヘッドホーンをつけることで音に集中できます。そして、気がつかないノイズが聞こえたりして、無駄な録音をすることがなくなります。また、自宅における編集作業でもなくてはなりません。イヤーホーンから耳にかけるタイプまでいろいろありますが、耳を覆い外の音が聞こえにくいタイプを選ぶことをお勧めします。

□現在使用のヘッドホーン
ソニーMDR-CD900ST:業務用のヘッドホーン。音は素直でクセがありません。造りは比較的しっかりしていて野外に持っていても安心できます。しっかりしているぶん重いのがデメリット。実売価格約15,000円。

その他
 マイクを手で持つとグリップノイズが入ります。それを、回避するためにマイクスタンドとしての三脚が必要です。これは、大きなグリップ(写真)などで代用もできます。
 その他、音の望遠鏡ともいえる補聴器、夜間や早朝のために懐中電灯(ヘッドランプ)、電池やテープをすぐ取り出せるように入れておくウエストポーチが録音のために必要なものです。
 最近、使用して便利だと思ったのはアウトドア用の小型(3本脚)のイス。じっとしていることが多いので、立っているのはつらいものです。そんなときにイスに座っている楽な姿勢をとれて音を立てることもありません。
 録音とは関係なくフィールドでの作業のために、雨具、時計、食料、飲料水、救急用品などに加え虫除けスプレー、場合によってはGPSなどがあると便利です。